王たちの眠る場所(ロスキレ大聖堂@デンマーク・聖堂内で観たモノの巻)

唐突であるが。
コペンハーゲンの旅行において、とても便利な観光パスがある。その名もズバリ『コペンハーゲンカード(Copenhagen Card)』だ。
詳細はググっていただきたいが、美術館・博物館・宮殿・教会などの各種観光施設が無料になるほか、市内の地下鉄やバス、さらには近郊鉄道まで賄えるスグレモノのカードである。空港のツーリストインフォメーションで購入可能なので、到着時に作ればそのまま市内への鉄道移動に使えるのだ(^^)


ただし注意点がいくつか。

  1. 作成日も利用可能日数にカウントされるので、到着時刻を考慮すること → 初日は市内移動にしか使えないこともある。
  2. カード代金と観光先の入場料合計を比較検討すること → 買ったはいいが、あまり観光しないと最終的に赤字になる可能性が大である。
  3. 目当ての施設が入場制限で入れない場合もある → このカードは優先パスではないので、入場行列も考慮しないと予定が狂うこともある。
  4. 購入代金はかなり高い! → そもそも北欧諸国は物価が高いので致し方なし。なのでカード代金に見合う施設を回れるのか、事前の検討が大事である。

要するに予定をシッカリ立てて、効率よく観光すれば無敵のカードなのだ。


で、何が言いたいかというと、ロスキレまでの往復、および大聖堂の入場料がすべてコペンハーゲンカードで賄えたよ、と。そういう話なのだな。オレにとっては旅行中とても助かったので、この場を借りてのご紹介なのだ*1
ちなみにココで紹介したからと言って、バックマージンなどは一切発生していない。



さて、本題に戻るとするか。


ロスキレ大聖堂の内部、それはとても豪華である。なぜならここは、デンマーク王室にとって最も重要な教会だからだ。

正面祭壇である。プロテスタント系教会*2にしては、かなり豪奢な祭壇となっている。
祭壇をアップすると、

すごっ!
あまりのキンキラキンさに『ココはどこ? もしやスペイン?』と思ってしまった^^;*3

これは王族の専用席、二階部分に設けられている。やはりキンキラキンなのだ。

巨大な絵画も飾られていたり、

脇陣への入り口は見事な装飾となっている。


これらはすべて、王族のために用意されたものなのだ。
どう言うことかというと、この聖堂は王家の墓所なのである。なのであちこちに棺が安置されていて、言わば『棺の美術館』ってな様相を呈しているのだな^^;



まず、聖堂内に入ると後陣部分に棺が安置されている。
とても美しく、芸術的な棺である。ただ『この中は多分骨、でいいのかな? でも、もしかしてまだ腐・・・』と言う感じがする。なぜなら、さほど古くない年代だったので^^;

先程の巨大絵画の下にも、棺がずらっと並んでいる。多分この絵は、ここに安置された王の偉業を称えているものと思われる。

見事な装飾の脇陣も、中に入ると棺である。うん、きっと骨が横たわっているはずだ、だって古いしね。

祭壇の後ろにも棺、こちらは非常に芸術性が高い。

一際見事な棺である。場所も祭壇の真後ろ、かなりの権力を有した女王だと思っていたら、この方こそマルグレーテ1世*4だった。

こちらはかなり興味深い棺、戦闘時の装束のままで葬られている。戦いの最中に亡くなられたのだろうか。それでも白い大理石には、あちこちに宝石が散りばめられている。

そしてまた豪華な棺、彫刻だけでもすごいことになっている。棺を作るのも気の遠くなるような作業だろうな、と思う。


と、ここまでは、あまり内部の状態を気にすることなく見て回ることができた。ここまでくると棺とは言え、芸術作品そのものである。
そして最後の部屋。

これまた一段と派手やかな。

そしてこちらは特別扱い、天蓋まで付いているのだ。よほど偉大な王だったのだろう。


ところが^^;
この最後の部屋だけ、何かしら臭うのだな。
今までは全然感じなかったのに、かす〜かに漂うアノにおい。
ご葬儀に際して、それがことに夏場だったり、あるいは事故によりお亡くなりになった場合に、オレも嗅いだことのあるアノ・・・^^;;



これ以上書くのは憚られるが、つまりは美しい棺の中で何が起こっているのか、一瞬にて現実に引き戻されたオレだった。

(2015/09/19撮影)

*1:デンマークにおいては鉄道移動が多かったので、オレは結果的に元が取れた。どころか大節約ができたのである

*2:まぁ本来はカトリック教会だったワケだが^^;

*3:スペインの教会は祭壇装飾が非常に派手で有名である。実際はこの程度だとスペインには及ばないが、北欧の教会にしては飛び抜けている。

*4:1353〜1412年在位。立場は摂政であり女王ではないが、北欧諸国を実質的に支配した。